（左）病院前のロータリー、（右）誇らしげに横断幕が掲げられている。| ジャクソン記念病院探検 |
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| ■ジャクソン記念病院 |
病床数１４９８床を誇る南フロリダ最大の総合病院。U.S.Newsが選ぶAmerican's
Best Hospitals 2006に５部門６診療科が入賞している。
（左）病院前のロータリー、（右）誇らしげに横断幕が掲げられている。
いわばマイアミ大学医学部の附属病院のような存在だが、大学が私立であるのに対し、病院は公立である。すぐ隣に私立のCedars
HospitalやVeterans Hospitals（在郷軍人病院）などがあり、これらにもマイアミ大学所属の医師が数多く勤務している。だから、実際は関連病院のような関係に近いのかもしれない。
医学生の臨床実習は主にジャクソン記念病院で行われており、また、移植を始めとする数々のトレーニングプログラムがあって、米国各地よりレジデントやフェローが集まってきている。
病院周囲は治安が悪い地域である。夜間病院の敷地内で銃を突きつけられ、財布を盗られた人もいるようだ。ERのある病院は救急患者が発生しやすい地域に建てられるので、銃撃が起こりそうな、治安の悪い地域にあることが多いのだという。実際、2006年8月には病院北側の住宅地で口論から銃撃戦となり、誕生日パーティーに向かうために道を横断していたティーンエイジャーが死亡する事件が起きている。
病院内を一言で表すと、迷路だ。病院の建物は増改築を繰り返して増殖していくので、どこも多かれ少なかれ迷路の様相を呈しているが、ここは筋金入り！中央にCentral
Buildingがあり、東西南北に病棟が延びているのだが、隣り合っている西病棟
West Wing と東病棟 Holtz Center とは同じ階同士が連絡していない。後から作られた東病棟の方が天井が高くなっていて、建物の高さが違うのだ。従って間にあるエレベーターに乗ると、上昇しているのに西６階の次が東５階だったりする。
摩訶不思議なエレベーターの階数表示
| ■病棟案内 |
C2F：（成人）ICU ＡとＢの２つがある（違いはまだよく分からない） 小児移植外科オフィスもある
C3F：OR（手術室）がある
W15F：成人肝・小腸移植、膵・腎移植病棟
E1F：ＥＲ（救急救命室）
E5F：小児ＩＣＵがある プロバスケットボールチーム、マイアミヒート（強い！）に所属するAlonzo Mourning選手（腎移植を受けた後にも選手に復帰し活躍している）の写真が壁に飾られている
E6F：小児移植病棟
| ■カルテ |
カルテは基本的には電子カルテになっている。
病院の至る所にデスクトップコンピューターが置かれていて、これらの端末から入力する。
しかし、紙のカルテも存在し、温度板（フローシート）やサインの入った承諾書、点滴・処方などのオーダーは手書きでなされる。オーダーは後に事務が電子カルテに入力し、プリント出力されたものが紙カルテに入れられる。オーダー落ちも時々発生し、トラブルの原因になっている。
回診の時は紙のカルテを持ち歩き、手書きでオーダーを出す。
アテンディングは自分のオフィスがあり、事務員がついているため、ボイスレコーダーにカルテを吹き込み、後にテープ起こしをしてもらうことができる。レコーダーにカルテを吹き込む様はなかなかかっこいい。「ツインピークス」のデイル・クーパー FBI特別捜査官のようだ。
フェロー以下はそうはいかないので、自分たちでデスクトップに向かってせっせとカルテ記載している。
この電子カルテはなかなかよくできていて、カルテ記載やオーダリング、放射線画像も含めた検査結果を簡単に参照できるのはもちろんのこと、学会発表に必要なデータ収集も簡便にできるようになっている。他の病院との連携もなされていて、お互いに検査結果を参照できる。また、外科では病院全体のシステムとは別のシステムを構築し、外科に必要な情報を抜粋して表示するようにしてある。もちろんこのシステムから入力もできる。なんでも、コンピューターマニアの外科医がコンピューター技師を雇って構築したシステムだそうで、スタッフの意見を取り入れて日々進化しているらしい。日本の大学病院にもほしいなぁ。
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最終更新日 : 2006/10/21.